パサイの夜

パサイといえばすぐに思い出すのがロハスボディバードという
有名な海岸を走る大きな道路だが、この近辺にはたくさんのク
ラブ(ゴーゴー)がある。もはや今ではすっかり有名になって
しまった、エドサ通りのコンプレックス(*1)へと向かう。

ここは何件ものゴーゴーバーが集まっている、ゴーゴービルと
なっている。入り口を入ると、各店の前にいる客引きの男や女
の子達から声がかかる。私みたいにすぐに目移りしてしまう人
にはもってこいの場所なのである。とりあえず目の前にある、
「コットンクラブ」へと足を入れる。ここのレデイースドリン
クは175ペソ。マカティよりは少し安い。一杯飲んでいると
次々に女の子が群がってくる。こちらが日本人だとわかると、
「ラッキードリンク頂戴」と言ってくる。なんでラッキーだか
わからないが、そんなものは飲ませる必要はない。集まってき
た女の子の中に、気に入った子がいないので暫く聞こえないフ
リをしていると、だんだんと女の子がいなくなり気がつくと1
人だけになっていた。彼女の名前は「エンジェル」といった。
年は19歳。小柄で細身だがよくみると可愛らしい女の子だ。

「どこからきたの?」「ここは初めて?」どこにいっても同じ
質問がくる。(*2)「日本から、初めて」と答えると「日本
の人好きよ。優しい人がおおいでしょう?」と彼女が答えた。

どうしたわけかさっきは全然タイプじゃなかったのに、話をし
ているうちにだんだんと可愛らしく思えてきた。不思議なもの
でそんなに美人ではないが、何かこう笑顔がとてもいい。気が
つくと1時間近く話をしていた。全然飽きさせない子だった。

*1 コンプレックス ゴーゴーバーの複合施設。6軒ほどの
お店が集まっている。女の子はかなりの人数が在籍している。
日本からだけでなく、韓国、中国、アメリカ、オーストラリア
などからの旅行者も多く、女の子はみんな英語が流暢である。

*2 「どこからきたの?」最も多く聞かれる言葉。これは彼
女達の挨拶と言ってもいい。ゴーゴーで働く女の子達の中には
フィリピンといえども英語を話せない子もいる。(特にタガロ
グ語圏の女の子)挨拶や、名前を聞く等は勿論、簡単な英会話
は彼女達にとっての商売道具、もはや名刺代わりなのである。


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