ムワッ!
その日私は「ムワッ」とした空気に包まれた。
「かえってきた」
そうつぶやきながら、なぜか心の中でスキップするわたしである
うるさい客引き&物乞いに目もくれず、二階の出発ロビーに上っ
た。一階の普通の空港タクシーに乗ると300〜500が相場だ
が、二階の出発ロビーに来る客を乗せてきた連中は違う。普通の
タクシーである。メータープラス20で交渉成立、市内へと向かう
目の前を通り過ぎる景色が何かとても懐かしい。
「ただいま」私
はそうつぶやいた。私にはとても心が安らかになる場所である。
ホテルに着くなり、なじみの子が笑っている。
「サー、今日は一
人か?」
「別にチェックインくらい一人でもかまわないだろう」
と思ったがいうのはやめておいた。なぜなら前に
「何人の彼女が
いるのか?」
ときかれいて、
「数えらんない」
と冗談で答えて、
「日本人はみんな女好きなのか?」
と笑われていたからである。
朝起きると(実は昼)そこは南国特有の暑い日ざし。夜行性の私
の体にはきついものがある。が、いくところがあったので暑い中
外に出る。行き先は不法住居のたくさんあるスクオッターのそば
で、シャブの売人もたくさん住んでいる、ケソン市の女房の実家
である。ここもなにも変わらない姿で私を迎えてくれたのである
「コウヤ!」
(お兄さんの意味)などなど暖かくむかえてくれた
そこでは仕事を何年もしていないろくでなしのお父さんが(女房
の本当の父親ではなく後父)私の為にアドボというシチュウに似
た料理を作ってくれた。中に入っている肉は
「犬」である。犬肉
は臭いので、においがでにくいアドボによく入れられるのである
犬の匂いが消えるため、安い犬肉の料理にはピッタリなのである
そこで三杯のおかわりをし、コーラを買ってきてもらって飲む。
腹も落ち着き、家族7人が僅か8畳ほどのスペースに寝泊りする
その家を見回し、よく整理された室内と、家族の持つ暖かさがに
じみ出ているのを肌で感じた。家族の暖かさを感じたのである。
今回私は失礼をしないように起きてから何も口に入れることなく
おなかを極限まで減らしてこの場に臨んだのでありました。勿論
ご飯を一腹いっぱい食べて彼らの喜ぶ顔が見たかったからであり
ます。「味?」
ですか?
あんまりおいしくなかったです(笑)
一通り近所も散歩し、近所の皆に挨拶を済ませると私は飽きてき
てしまい、皆に別れを告げ女房の実家を後にしたのでありました
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