メスチーソ


二人は毎日のように会うようになりました。きっと彼女は
とてもさびしいのでしょう。それでも二人の仲は急速に発
展!という事はなく、はたからみたら普通の恋人同士に見
えるけれども、なにもない二人でした。私の気持ちを知っ
てか知らずか、彼女はにこにこ笑ってくれました。その笑
顔に負けてしまいいつも何も出来ずにいるウブな私でした

およそ一ヶ月が過ぎたころでしょうか。いつものようにお
店に迎えに行くと(店の中には入ったことはないのです。
客になったことはないのです)彼女は
「疲れた」 といいま
したので、
「今日はまっすぐ家にかえろう!」 と私がい
いました。少し考えて彼女は、
「まだ帰りたくない!」
いうので、車でぐるぐるそのあたりをドライブしました。

それでも時間が余るので、部屋まで送っていきました。そ
の時はじめて彼女の部屋に入りました。なぜかというと、
彼女の部屋は男子禁制なのです(ボーデングハウスという
所で、複数の部屋で、複数の人が住み、台所、トイレ等は
共同)彼女の部屋は2人部屋で、彼女は友達と住んでいま
した。でもその友達は田舎に帰っており、部屋には彼女一
人でした。初めての彼女の部屋に私は緊張しました。私た
ちは長い間、明け方近くまで話をしました。

突然彼女が泣きそうな顔をしました。
「どうしたの?」
聞く私に彼女は言いました。
「あなたはちがうよね?すぐ
にいなくなったりしないよね?」
と言いました。前のこと
を思い出しているようです。私は彼女を強く抱きしめまし
た。一人になるのが怖いのでしょう。また同じ思いをした
くないのでしょう。私は言いました。
「僕はどこへも行か
ないよ」「君のそばにいるよ」
そういうと、さらに強く抱
きしめてきました。私は彼女を強く抱きしめ返しました…


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